乳腺甲状腺外来について
2023年4月より、乳腺・甲状腺の外来を毎週金曜日午前中に行います。
ご予約は2月よりお電話にて承ります。
現・神奈川県立がんセンター勤務(横浜市立大学外科治療学所属)の女性医師が担当致します。
採血やエコー検査もすぐに実施可能です。検査結果もなるべく早くご説明いたします。
(※マンモグラフィーは行いません)
乳腺や甲状腺に関して少しでも気になる事がありましたら、お気軽にご相談ください。
(なお、川崎市の乳がん検診は対応しておりませんのでご注意ください。)
このような症状の方はご相談ください
- 胸や脇のしこりが気になる
- 乳房に痛みがある
- 乳がんが心配な方
- 甲状腺の腫脹(首の腫れなど)
- 安静にしているのに心臓がドキドキする
- 手指が細かくふるえる
- 検診などで要再検査と言われた
乳腺甲状腺外来の主な診療内容
- 気になるしこりの精密検査
- 乳腺疾患・甲状腺腫瘍の治療・経過観察
- 乳腺や甲状腺の手術後のフォローアップ
乳腺甲状腺の主な疾患
乳がん
乳がんとは、乳管など乳腺組織に発生したがんのことです。乳腺組織の一部の細胞の遺伝子が様々な要因を積み重ねて変異し、がん細胞となって増殖したものとされています。乳がんのほとんどは、小葉を出てすぐの乳管(乳汁の通り道)の壁の細胞が異常増殖するという形で発生します。これが乳管がんです。乳がんには小葉(乳汁をつくる組織)から発生するものも5~10%あり、これは小葉がんと呼ばれています。
乳がんは5mm~1cmぐらいの大きさになると、自分でも触って探すことができます。しかし、しこりのほとんどは病的なものではなく、病的であってもがんではないものが大半です。しこりが見つかってもパニックを起こしたりせず、まずは受診の上診断を受けることが大切です。
乳腺症
女性ホルモンのバランスが崩れたことによって乳腺に生じる腫れや張り、乳腺の痛みや灼熱感などを総称して乳腺症と呼びます。30~50歳の女性によく見られ、視・触診などの検査で腫瘤(こぶ)やしこりを認めた場合には、乳がんが隠れていないかを精査する必要があります。しかし乳腺炎や乳がんのような、明らかな疾患とは別物と考えてよいでしょう。通常、治療の必要はないですが、痛みが強いような場合にはホルモンブロック剤の投与を行います。
乳腺炎
乳腺炎とは、文字通り乳腺(母乳をつくって分泌する器官)が炎症を起こしてしまった状態のことです。乳腺炎は産褥期(分娩後、体が妊娠前の状態に戻っていく時期)に起こりやすく、赤く腫れ上がったり、熱が出たりもすることがあります。膿が出たりして治りにくいケースもあるので、診察時には炎症の程度を観察し、抗生物質の投与や、穿刺(注射で膿を抜き取る)や切開などの外科的処置が必要かどうかを判断します。乳汁の流れが悪くなり、マッサージや授乳後にもしこりが生じて疼痛が増し、熱が出るような場合は乳腺炎の可能性がありますので、早めに医療機関を受診することが大切です。
状腺機能亢進症(バセドウ病)
自己免疫の異常により甲状腺が活発に活動し、血中に甲状腺ホルモンが過剰に分泌される状態で全身にさまざまな症状が現れます。比較的、若い女性に多く見られる病気です。全身の新陳代謝が早くなるため、動悸、体重減少、指の震え、暑がり、汗かきなどの症状がおき、放置すると心臓への負担が大きくなり、重症化してしまいます。出来るだけ早く診断を受け、治療をすることが重要です。
甲状腺機能低下症(橋本病)
バセドウ病と逆に、自己免疫の異常により甲状腺ホルモンの量が不足して新陳代謝が低下し、無気力、疲れやすさ、むくみ、寒がり、体重増加、便秘、物忘れなどが生じます。甲状腺機能の低下は、甲状腺ホルモンを補充する内服薬などで治療を行います。