循環器

不整脈

心臓の脈拍は、安静にしているときは緩やかになり、運動時などは早くなります。1日に約10万回も拍動していますので、ときには規則正しくない電気信号によって脈が乱れることもあります。すなわち、一時的に脈拍が一定範囲内で変動するのならば特段の問題は生じません。しかし、このような状態が頻繁に現れるようになり、脈が速くなったり、遅くなったり、不規則になったりすることがあります。これが不整脈です。

主な原因は、冠動脈疾患や心臓弁障害、心不全などの心臓関連疾患ですが、甲状腺異常や肺に病気がある人も不整脈を起こしやすい傾向があります。この他、老化や体質的要因、ストレス、睡眠不足、疲労などによって引き起こされることもあります。

治療の必要性があまりない一時的なケースも多いのですが、なかには心停止につながる危険な症例もあります。不整脈を指摘されたり、気になったりした際には、詳細な診断を受けることが大切です。

狭心症

狭心症は、心臓の周囲を覆っている冠動脈の血管内が狭くなったり、痙攣を起こすことによって心臓の筋肉に供給される血液が不足してしまう疾患です。幾つかのタイプがありますが、初期の段階で特に多く見られるのが労作性狭心症です。

仕事や運動などで身体を動かした際には、安静時よりも多くの酸素が必要となるのですが、冠動脈内の血流が滞っているため、十分な酸素を供給できず、胸の中央部辺りが締め付けられたり、何かを押し付けられているような圧迫感を覚えてしまうのです。

この他、安静時にも胸痛などが引き起こされたり、発作の頻度が増えたり、軽い動作でも発作が起こることがあります。これらの狭心症は、心筋梗塞に移行する可能性があります。放置することは危険なので、出来るだけ早く医療機関を受診することが大切です。

心筋梗塞

冠動脈の動脈硬化が進行し、狭くなった血管に血栓ができるようになると、血管が詰まってしまい、血液が流れなくなります。その結果、心臓の筋肉に酸素を送り届けられなくなり、心筋の細胞が死んでしまう疾患が心筋梗塞です。

いったん発症すると、一日以内に死亡してしまうケースが極めて多く見られます。病院に救急搬送され、最善を尽くしたとしても命を救えないことがありますので、日頃から心筋梗塞にならないよう十分に注意する必要があります。気が遠くなる、失神、突然の激しい発汗、吐き気、息切れ、動悸などの症状が見られた際には、出来るだけ早く循環器内科を受診するようにしましょう。

心筋梗塞は、心筋への血液供給が大きく減少することで起こります。このような状態に陥る最も大きな原因は、血栓です。冠動脈の内側にコレステロールなどの脂肪性物質が溜まっていき、これが動脈の内側を傷つけたりすると血栓が出来やすくなります。

動脈硬化や高血圧、糖尿病などの既往症がある方は、ストレスなどが引き金となって心筋梗塞のリスクが高くなりますので、特に注意するようにして下さい。

心不全

心筋梗塞や心臓弁膜症など、心臓・冠動脈の疾患によって心臓のポンプ機能が低下し、体に十分な血流を送れなくなった状態を心不全と言います。動悸や息切れ、咳、息苦しさ、疲労感、足のむくみ、四肢の冷感、食欲不振などの症状が見られます。入院治療を要することが多いです。