花粉症について
花粉症とは、スギなどの植物の花粉がアレルゲン(抗原:アレルギー症状を引き起こす原因物質)となり免疫反応によって引き起こされるアレルギー性鼻炎です。主な症状として、目のかゆみ・異物感・充血、涙、立て続けのくしゃみ、鼻みず、鼻づまりなどがあげられます。症状がひどくなると、咳、喉や皮膚のかゆみ、頭痛、倦怠感、微熱、不眠、下痢、体や顔のほてり、イライラ感も見られるようになります。
花粉による原因物質については、スギやヒノキがよく知られていますが、シラカンバ、ハンノキ、カモガヤ、イネ、ブタクサ、ヨモギなどが原因になることもあります。主に花粉の飛ぶ時期に症状が限定されることから、季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状については抗ヒスタミン剤を服用します。鼻づまりの症状が強い場合は内服薬に加えて、局所ステロイドの点鼻薬も併用します。目のかゆみがある場合は、点眼薬などを使用します。
舌下免疫療法とは
舌下免疫療法とは、毎日少しずつ体をアレルゲンに慣らしていって抗体を作り、アレルギー反応を起こしにくくする「アレルゲン免疫療法(減感作療法)」の一種です。
以前は注射による皮下免疫療法が主流でしたが、舌下免疫療法はアレルギーの原因となるアレルゲンが配合された治療薬を舌の下にしばらく含んでから飲み込むだけのため、自宅で気軽にできます。
非飛散期の6月くらいからに治療を開始して、通年で継続していきます。
抗体を作り免疫反応そのものを改善する治療法なので、根治が期待できます。
なお、舌下免疫療法の対象となるのは、スギ花粉もしくはダニアレルギーが原因となるアレルギー性鼻炎の方のみです。
スギ舌下免疫療法薬は「シダキュア」、ダニ舌下免疫療法薬は「ミティキュア」です。
注意すべき点といたしましては、治療が3年~5年と長期になり毎日治療薬を飲み続けていただく必要があります。
また、少量ずつながらもアレルゲンを投与するためアレルギー反応や副作用が起きる場合がございます。(口内の腫れやかゆみ、口内炎、耳のかゆみ、喉のかゆみ・不快感、くしゃみ、鼻づまり、目のかゆみ、蕁麻疹、頭痛など)